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LESSON 02 / 基礎編

パケット交換と通信の流れ

インターネットでデータをやり取りすると、メッセージは小さな「パケット」に分けられて旅をします。なぜわざわざ細切れにするのか、途中の機器はどんな働きをするのか、パケットが途中でなくなることがあるのにどうやって通信を成り立たせているのか。身近なたとえと動く図で、インターネットの土台になっている考え方を理解しましょう。

学習目標

本講を終えると、以下の問いに答えられるようになります。

本講は 第1回(ネットワークの構成要素) の続きで、ルータやスイッチが 具体的に何をしているのか を初めて見ていく回です。続く 第3回(プロトコルとTCP/IP階層モデル) では、ここで出てくる「宛先のラベル」「ヘッダ」が どの層の仕事なのか をより細かく扱います。今回は 仕組みのイメージ をつかむことが目標です。

このレッスンの目次

01 パケットとは インターネットでメッセージや写真を送るとき、データはそのまま 1つの大きな塊 として… 02 回線交換 vs パケット交換 ネットワークでデータを運ぶには、大きく分けて 2つの方式 があります。1つは昔の電話… 03 通信の流れ 実際に「メッセージを送ったとき」、パケットはどんな道のりを通って相手に届くのでしょう… 04 ロスと順序の乱れ パケット交換では、混雑や無線環境などによってパケットロスや順序の入れ替わりが… 05 なぜ選ばれた 回線交換にも長所はあります。それでも世界中をつなぐインターネットは パケット交換 を… 06 まとめと用語 本講の重要語句を整理 07 確認問題 理解度を問題でチェック

パケットとは何か

インターネットでメッセージや写真を送るとき、データはそのまま 1つの大きな塊 として運ばれているわけではありません。送信される前に、データは 小さな「パケット」 という単位に 分割 されます。それぞれのパケットには 宛先の住所(ラベル) が付けられ、ばらばらに送り出されます。
POINT パケット = 「宛先ラベルが貼られた、データの小さな切れ端」。大きなメッセージは複数のパケットに分けられ、受信側で元の順番に組み立て直される。

身近なたとえ:引っ越しと荷物

大きな家具を1つのトラックに丸ごと積んで運ぶことを想像してみましょう。大きすぎてエレベータに入らず、玄関も通れず、ぶつけたら全部おしまい…。でも、家具をいくつかの段ボール箱に 分けて 入れ、それぞれに 「〇〇さん 新居3階」送り先のラベル を貼って送ったらどうでしょう。1箱ずつ運べば取り回しがきき、もし1箱なくしても残りは無事。これがパケット交換の基本イメージです。

1 元データ 送りたい1枚の大きな画像データ
2 分割 はさみの記号で画像データを切り分ける
3 パケット化 宛先ラベルと番号の付いた4つのパケット
4 1個の中身 パケット1個の中身。ヘッダに宛先や番号、データ部に画像データの一部が入る
5 並べ直し 受信側で番号順に並べ直し、画像データへ復元する

図の見方:1枚の大きな画像のようなサイズの大きいデータは、扱いやすい大きさに切り分けられる。図では番号を強調しているが、実際のパケットには 宛先などの管理情報 も付く。受信側は番号などを手がかりに元の順番へ並べ直し、1枚の画像データとして復元する。

考えてみよう:
大きな石はすき間が多く、砂はすき間を埋めてぎっしり詰まることを示す図
石はすき間が残り、砂はすき間を埋めやすい。
石を入れたバケツが3つ並んでいる
石の例:バケツ数は少なめだが、すき間が残る
砂を入れたバケツがたくさん並んでいる
砂の例:ぎっしり入るが、同じ重さなら数が増える
バケツに大きな石だけを詰めると、同じ重さを運ぶバケツの数は少なくて済むが、石と石の間にすき間が多く残る。一方、砂のように粒が小さいとすき間は埋めやすいが、同じ重さを運ぼうとすると、たくさんのバケツに分けて管理することになる。データも同じで、大きすぎると回線の空きを使いにくく、小さすぎると管理が増える。大切なのは 「ほどよい大きさに分ける」 ことだ。
情報Iで覚えることインターネットではデータを パケット という小さな単位に分割し、それぞれに 宛先ラベル を付けて送る。受信側で並べ直して元のメッセージに戻す。

回線交換とパケット交換

ネットワークでデータを運ぶには、大きく分けて 2つの方式 があります。1つは昔の電話で使われていた 回線交換、もう1つはインターネットが採用している パケット交換 です。同じ「線」を使っていても、使い方の発想がまったく違います。順に見比べてみましょう。
POINT 回線交換 = あらかじめ自分専用の通り道を1本確保して、終わるまで使い続ける(電話のイメージ)。
パケット交換 = 通り道を確保せず、小さな荷物をその都度ばらばらに送り出す(郵便のイメージ)。

回線交換とは

通信を始める前に、送信者と受信者の間に 専用の通り道(回線) を1本つなぎ、通話が終わるまで ずっと占有 します。昔の電話交換手が、まさに手作業で線を差し替えてつないでいた仕組みの延長です。

回線交換:左の3台の電話機(A赤・B青・Cグレー)から、電話交換機 1・2 の間にある1本の物理ケーブルを上下半分(スロット1=A専用、スロット2=B専用)で固定分割して右の宛先へ。Host Cは✕で接続拒否(呼損)
図の見方:容量が2枠しかないリンクを考えると、回線交換ではAとBに枠を固定予約します。Cは空き枠がないため接続できず、Bが送っていない時間もその枠は他人に回りません。

利点

  • 他の人に邪魔されず、安定して通信できる
  • 常に同じ品質(帯域)が確保される

欠点

  • 話していない時間も回線をムダに占有する(沈黙の間も同じ)
  • 線の本数以上には同時接続できない
  • 大量の人が一斉に使うのに向かない

パケット交換とは

事前に通り道を予約せず、送りたいデータを 小さなパケット に分けて、宛先ラベルを貼って その都度 送り出します。途中の道は みんなで共有 し、空いた瞬間に各パケットが順番に通り抜けていきます。インターネットはこの方式です。

パケット交換:A/B/Cの3ホストが出力キュー経由で1本のボトルネックを動的共有し、ルータを経て右の3宛先へ届く図。下部に「時間で動的共有:Aが休めばB/Cがその分を使える」、右下に「全員送れる」のタグ
図の見方:パケット交換では、A・B・Cのパケットをいったんキューに並べ、空いた瞬間に1本のボトルネックリンクへ流します。3人全員が送れますが、混雑すると待ち時間が増え、キューがあふれるとロスが起きます。

利点

  • 線をみんなで効率よく使える
  • 同時に大勢が通信できる
  • ある経路がだめでも、別の経路に切り替えやすい(柔軟・丈夫)

欠点

  • 混んでいると遅れることがある
  • パケットがあふれて 消える(ロス) ことがある
  • 到着順がばらつくことがある

2方式を並べて比較

観点回線交換(電話)パケット交換(インターネット)
通り道の確保事前に専用の道を1本確保事前確保なし。混み具合に応じて流れる
線の使い方占有(自分専用)共有(みんなで分け合う)
帯域の割り当て固定。予約した分は保証される動的。空いた分をその時送る人が使う
同時利用人数線の本数まで多数で共有できる(ただし混雑すると遅延や損失が起こる)
混雑時空き回線がなければ接続できない(呼損)キューで待つ。あふれるとパケットロス
無駄沈黙の間も占有してしまう送るものがある人だけが線を使う
急なトラブル線が切れたら通信終了別の経路にまわせば届く
得意なこと常に一定品質が必要な通信(従来の音声通話)大勢が同時に少しずつ使う通信(Webやメール)
小問:学校全体の生徒1000人が、同時に「ちょっとだけネットを使いたい」とき、向いているのはどちら?
正解:B。回線交換だと、1人ずつ専用の線を割り当てる必要があり、すぐに線が足りなくなってしまいます。パケット交換なら「使う瞬間だけ」 共有の線を借りる形なので、多人数が 少しずつ 使う場面に強いのです。インターネットがパケット交換を選んだ大きな理由のひとつです。

考えてみよう: 高速道路に「自分専用レーン」をずっと確保するのと、「みんなで車線を共有しながら、すいた瞬間に進む」のとでは、後者のほうが多くの人を運べそうですね。インターネットも同じ発想で道(線) を使っています。

情報Iで覚えること回線交換 は専用の通り道を独占する方式(電話)、パケット交換 は線をみんなで共有する方式(インターネット)。

通信の流れ:パケットの旅

実際に「メッセージを送ったとき」、パケットはどんな道のりを通って相手に届くのでしょうか。送信側で 分割 し、途中の ルータ たちが宛先ラベルを見て次の道を選び、最後に受信側で 組み立て直す 、というのが大きな流れです。下のステップ図を進めながら、パケットの旅を1コマずつ見ていきましょう。
POINT 送信側は 分割 → 各パケットがルータを リレー されながら旅 → 受信側で 並べ直して 元のメッセージに戻す。
ルータは宛先ラベルを見て、その時点の次の道を選ぶ 送信ホスト あなたのPC 受信ホスト 相手のサーバ ルータA ルータB ルータC 分割直後 パケット① 上のルート(A→C)を進む パケット② 別の道(ルータB経由)を進む パケット③ 上のルートを進む(混雑が解消) 到着バッファ(ばらばら順) 受信ホスト内で番号順に並べ直す → 元のメッセージに復元
ステップ1. 送信ホスト(あなたのPC) が、送りたいメッセージを 3つのパケット に分割します。図では ①橙②青③緑 のように 色分け して区別。それぞれに「相手のサーバへ」という 宛先ラベル が付きます。
ステップ2. まず パケット① が送り出されます。送信ホスト → ルータA → 上のルート(ルータC直行) → 受信ホスト、という道を進みます。
ステップ3. 続いて パケット② が送り出されます。このときは上のルートが混んでいたので、ルータA から 別の道(ルータB経由) を選んで進みます。同じ宛先でも 通る道がちがってよい のがパケット交換のおもしろいところ。
ステップ4. 続いて パケット③ が送り出されます。混雑が解消したので、再び上のルート(ルータC直行)を進みます。
ステップ5. 受信ホストにパケットが届きました。道や順番がちがったので、到着順は ①→③→② のようにばらばらになっています。
ステップ6. 受信ホストは各パケットの 番号情報 を見て、正しい順番(①②③) に並べ直し、元のメッセージとして組み立て直します。これで通信の旅は完了です。
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図の見方:同じ宛先のパケットでも、ネットワークの混み具合に応じて 違う経路 を通りえます。途中のルータは「自分の担当範囲で次にどこへ転送するか」だけを決め、順番の整理は受信側がやる という分担になっています。

登場人物の役割をおさらい

登場人物仕事
送信ホストメッセージを パケットに分割 し、宛先ラベルを付けて送り出す
ルータ到着したパケットの宛先を見て、次に進む道 を選んで転送する(中継)
受信ホスト到着したパケットを 正しい順番に並べ直し 、元のメッセージに戻す
送信 ルータ1 ルータ2 受信 ①保存 → ②宛先を読む → ③次の道へ送り出す ①保存 → ②宛先を読む → ③次の道へ送り出す 届いた順にバッファへ 蓄積交換:ルータで 一旦保存して宛先を読み、その後 次の道へ送り出す

図の見方:3つのパケットが、ルータごとに 一旦保存され、宛先ラベルを読まれ、次の道へ送り出される(蓄積交換)を繰り返しながら受信側へ届いていきます。再生ボタンで動かしたり止めたりできます。

考えてみよう: 1つの宛先に同じ日に3通の手紙を送ったとき、それぞれ別の郵便局を経由して、到着する日がバラバラになることがありますね。インターネットも、近いことが起きていると考えるとイメージしやすいです。

情報Iで覚えること送信側で 分割 → 途中の ルータ が宛先を見て次の道へ転送 → 受信側で 並べ直して 元のメッセージに戻す、という流れでパケットは届く。

ロスと順序の乱れ:消える・入れ替わる

パケット交換は便利ですが、1つ1つのパケットが必ず届く保証はありません。実際のネットワークでは、混雑・無線の電波状態・機器の一時的な負荷などによって パケットロス は珍しくありませんし、別の道を通れば 到着順が入れ替わる こともあります。それでもインターネットが「ちゃんと届く」ように見えるのは、ロスや順序の乱れを前提にして対応する仕組みがあるからです。
POINT パケットロスは「めったにない例外」ではなく、混雑したネットワークでは普通に起こりうる。それでも大丈夫なのは、受信側が 不足を見つけて送り直しを依頼 したり、正しい順に並べ直し たりできるしくみがあるから。

なぜパケットロスは起きるの?

ルータには「順番待ちの行列(バッファ)」のような置き場があり、ここに到着したパケットを一時的にためておきます。ところが動画視聴や大きなダウンロードなどが重なって行列が 満杯 になると、新しく来たパケットは あふれて捨てられて しまいます。これがいわゆる パケットロス です。

ルータのバッファが満杯になり、新着パケットが入口で入れず下のロス箱に捨てられる様子。左に大量到着、中央にバッファ5/5満杯、右にルータと「少しずつ転送」、下方に「ロス」
図の見方:ルータの行列(バッファ) には限りがあります。混雑すると、新しく到着したパケットの置き場がなく、捨てられて しまいます。これが「パケットが消える」の正体です。

消えても大丈夫?

そこで活躍するのが 「届かなかったら送り直す」 仕組みです。受信側は到着したパケットの番号を見て、「② が抜けてるよ」 と気づくことができます。すると送信側に「② をもう1回送って!」と頼み、再送が行われます。これを繰り返すことで、多少消えてもメッセージ全体としては届く のです。

送信→ロス検出→再送の3段階の時系列図。1段目は①②③を送り②が消失、2段目は受信側から送信側へ「②が抜けています。もう一度」の依頼、3段目は欠けた②だけ再送して①②③完成
図の見方:受信側はパケットの番号を確認し、欠けがあれば送信側に 再送 を依頼します。これによって「途中で消えても結局は届く」が実現されています。
補足: 再送や順序の並べ直しは、パケットそのものやルータが保証しているわけではありません。これらは主に TCPなど上位層(トランスポート層) の仕組み が担当しています。ルータは「次の道へ転送する」役、TCPなどは「最終的に正しく届けるための後始末」役、というように 役割が分かれている と覚えておきましょう(詳しくは 第3回 以降)。
もっと詳しく:この「送り直し」は誰が頑張っているの?

パケットを 送り直す順番に並べる といった作業は、パケットそのものを運ぶ仕組みとは別の役割 として用意されています。今は「そういう係の人がインターネットの中にいる」 と理解しておけば十分です。詳しい仕組みは 第3回(プロトコルとTCP/IP階層モデル) や、より上のレッスン(標準編)で扱います。

回線が混むとどう見える?: 動画を見ているときに ぐるぐる(読み込み中) が出るのは、まさにパケットが行列で待たされていたり、ロスしたパケットの再送が起きていたりするサイン。パケットの遅れやロスは、実際の通信ではかなり身近な現象です。

なぜインターネットはパケット交換を選んだのか

回線交換にも長所はあります。それでも世界中をつなぐインターネットは パケット交換 を選びました。理由を一度自分で考えてから、答え合わせしてみましょう。

Q. もしインターネットが「回線交換」だったら、何が困るでしょう?3つくらい 思いついてからクリック。

豆知識: インターネットの原型(ARPANET) は、1960年代後半にアメリカで生まれました。設計者たちは 「一部が壊れてもネットワーク全体は動き続ける」 ことを大事にしていたと言われています。パケット交換はその思想ととても相性のよい仕組みでした。

でも、サービスとしては大丈夫?

パケット交換は線をみんなで効率よく共有できる便利な仕組みですが、第4回(ロスと順序の乱れ) で見たように 途中でパケットが消える(ロス) ことや 順番が入れ替わる ことがあります。これを身近な「郵便」にたとえてみると、どうでしょうか。

差出ポストから配達員、お届け先までの配達ルートで、配達員の手から郵便物が落ちて行方不明になる様子。「途中で紛失!」のタグ付き
図の見方:大事な手紙を出したのに、配達員が運ぶ途中でいつのまにか1通行方不明になる。しかもそれを もう一度送り直してくれるとは限らない

配達中に消えることがあるもう一度送ってくれるかは保証されていない」── そんな郵便会社、ふつうは使いたくないですよね。じつは パケット交換そのもの は、まさにこういう「届くこともあるし、届かないこともある」だけのサービスです。これを ベストエフォート(できる範囲でがんばる) 型のサービスといいます。

では、なぜインターネットがちゃんと使えるサービスに見えるのか? それは、ベストエフォートなパケット交換の 上にTCP のような 「届かなかったら再送する係」「順番に並べ直す係」 を組み合わせて、最終的に「ちゃんと届く」ように見せているからです。役割分担で支え合う仕組みですね(詳しくは 第3回 以降)。

つながる知識: 次の 第3回 では、ここで出てきた「宛先ラベル」 や「順番情報」 が、実は 層ごとに役割分担された仕組み として整理されていることを学びます。今回学んだイメージが、そこできれいに位置づけられますよ。

情報Iで覚えることインターネットがパケット交換を採用したのは、線を共有して効率がよい多人数を同時にさばける一部が壊れても別の道で届く(丈夫) という強みがあるから。ただしパケット交換そのものは ベストエフォート(届く保証はない)で、TCP など上位の仕組み と組み合わせて「ちゃんと届く」を実現している。

まとめと用語チェック

SUMMARY 1. パケット = 宛先ラベル付きのデータの切れ端。大きなメッセージは複数のパケットに分けて送られる
2. 回線交換 = 専用線を確保して占有、パケット交換 = 共有の線をその都度使う
3. インターネットは パケット交換 を採用:共有・多人数・壊れにくさ のため
4. パケットは 消える(ロス)順番が入れ替わる ことがあり、ロスは実際の通信で珍しくない
5. 受信側は 並べ直し送り直しの依頼 によって元のメッセージを正しく組み立てる
6. 途中の ルータ はパケットの宛先ラベルを見て、次の道を選ぶ
7. パケットをどう分け、どう届け、どう再送するかは、TCP/IPなどのプロトコル が役割分担している

用語チェック

用語1行説明
パケット宛先ラベルが付けられた、データの小さな切れ端
パケット交換パケットを共有の線に流して相手に届ける方式。インターネットの基本
回線交換通信の前に専用の通り道を1本確保し、終わるまで占有する方式(従来の電話)
ルータパケットの宛先を見て、次にどの道へ転送するかを決める中継機器
パケットロス混雑などでパケットが途中で消えてしまうこと
再送届かなかったパケットをもう一度送ること
分割と再組み立て送信側がメッセージを分け、受信側で元の順に並べ直す処理
共有(共用)1本の線を複数のパケット(=複数の人) で使い分けること
NEXT: 次回(第3回)は、ここで出てきた 「宛先ラベル」「順番の情報」 が、ネットワークの中でどう 層(レイヤ) に分けて整理されているのかを見ていきます。プロトコルとTCP/IP階層モデル(基礎) へ進みましょう。

確認問題

問1. 「パケット」の説明として最も適切なものを1つ選べ。

次の選択肢から最も適切なものを選択してください。
A. 通信に使う物理的なケーブルの太さの単位
B. 宛先ラベルが付けられた、データの小さな切れ端
C. 1台のコンピュータが同時に動かせるアプリの数
D. ネットワークの安全を守る暗号方式の名前
正解:B
パケットとは、大きなメッセージを小さく分けたうえで、それぞれに宛先ラベルを付けたものです。Aは伝送速度や帯域、Cはアプリやプロセスの話、Dは暗号の話で、いずれもパケットの定義ではありません。

問2. 回線交換とパケット交換のちがいの説明として、最も適切なものを1つ選べ。

次の選択肢から最も適切なものを選択してください。
A. 回線交換のほうが新しい技術で、パケット交換のほうが古い
B. 回線交換は無線で、パケット交換は有線でしか使えない
C. 回線交換は専用の通り道を確保して占有し、パケット交換は共有の線に小分けで送り出す
D. 回線交換ではパケットロスが起きるが、パケット交換では絶対に起きない
正解:C
回線交換は通信前に専用線を確保して占有する方式、パケット交換は共有の線を使ってパケットをその都度流す方式です。Aは逆(回線交換のほうが古い電話の発想)、Bは無線・有線とは無関係、Dは逆でパケット交換のほうがロスが起こりうる方式です。

問3. インターネットがパケット交換を採用している理由として 不適切 なものを1つ選べ。

次の選択肢から最も適切なものを選択してください。
A. 1本の線を多くの利用者で効率よく共有できる
B. 大勢が同時に通信しても破綻しにくい
C. 途中の道が一部壊れても、別の経路を使って届けられる
D. パケット交換ではパケットが絶対に消えないので、確実に届く
正解:D
パケット交換はむしろ パケットが消えうる 方式です。それでも実用上は、送り直しの仕組みなどを組み合わせてメッセージ全体を届けるようになっています。A・B・C はパケット交換が選ばれた本当の理由です。

問4. パケット交換において、ルータの役割として最も適切なものを1つ選べ。

次の選択肢から最も適切なものを選択してください。
A. 到着したパケットの宛先ラベルを見て、次にどの道へ転送するかを決める
B. パケットの中身の文章を読み、内容を要約して相手に渡す
C. 通信を始める前に送信者と受信者をつなぐ専用線を物理的に張る
D. パケットを完全に暗号化し、内容を絶対に他人に見せないようにする
正解:A
ルータは「中継地点の交差点」のようなもので、宛先ラベルを見て次の道を選ぶのが本来の仕事です。Bはルータがやることではなく、ふつう中身は触りません。Cは回線交換的な発想で、パケット交換ではこのような専用線は張りません。Dの暗号化も、ルータ自体の役割ではありません。

問5. パケット交換で「途中で1つのパケットが消えた」ときの説明として、最も適切なものを1つ選べ。

次の選択肢から最も適切なものを選択してください。
A. メッセージは絶対に届かないため、最初からやり直し
B. 受信側が欠けに気づき、送り直しを依頼することでメッセージ全体を組み立てられる
C. 消えたパケットは、ルータが自動で勝手に作り直す
D. インターネットでパケットが消えることは原理的にありえない
正解:B
パケットは行列(バッファ) があふれるなどして消えることがあります。受信側はパケットの番号を見て欠けに気づき、送信側に再送を依頼することで、最終的に元のメッセージを組み立てます。Aは過剰、Cはルータができることではなく、Dは事実と異なります。
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